Urban Economics Workshop
Venue: Room 106, Institute of Economic Research, Kyoto University
Contact:
Tomoya Mori (Kyoto University) [HP]
Minoru Osawa (Kyoto University) [HP]
Tomohiro Machikita (Kyoto University) [HP]
Se-il Mun (Doshisha University) [HP]
Kakuya Matsushima (Kyoto University) [HP]
Kazuhiro Yamamoto (Doshisha University) [HP]
Miwa Matsuo (Kobe University) [HP]
Junichi Yamasaki (Kyoto University) [HP]
Category
Date
Title
Presenter/Location
Details
2000/06/16 Fri
16:30〜18:00
16:30〜18:00
交通網の地域的不均等発展による都市集積のモデル
水野勲(お茶の水女子大学)
京都大学経済研究所本館1階 第二共同研究室
要旨:交通革新に伴って都市間の時間距離が地域的に不均等に収縮し、このために、産業機能ポテンシャルと都市人口ポテンシャルが循環的・累積的に相互作用した結果、都市集積が生起するというストーリーを非線形非平衡のシミュレーション・モデルで示そうとするものである。
要旨:個々の独占的競争企業が、潜在的に無限の広がりを持つ財空間から自らの財の性を選択するという設定のもとで、財の多様性の増加を源泉とする内生的経済成長モデルを構築する。消費者は多様なニーズを満たすため財空間上でより幅広い特性を持つ財の消費を望むが、一方、生産に伴う知識の蓄積を考慮すると既存の財に類似した財の方が安価に生産できると考えられる。この2つの相反した力の結果、各時点の均衡において個々の企業の選択する特性は、局所的には集積しつつも大域的には一定の範囲で分散する。本論では、このような財空間上での局所的集積点を「産業」と解釈し、その構造の動的変化がマクロ経済成長率に与える影響について考察する。
要旨:本稿では、地域間の交易パターンが何によって決定されるのかを、交易パターンの指標(比較優位指標)を用いて産業別に分析を行なった。その結果、ある産業の生産性格差が大きい地域間ほど、資本賦存量の格差が大きい地域間ほど、粗付加価値額格差が大きい地域間ほど、ある地域のある産業の移出額が他地域の移入額よりも大きくなる(比較優位を持つ)ということが示された。しかしながら、生産性格差の比較優位指標に対する影響は比較的小さく、資本賦存量格差や粗付加価値額格差が大きな影響力を持つことが示された。ヘクシャー・オリーンモデルは、豊富な生産要素への相対的集約度によって貿易パターンが決まることを主張しているが、地域間の交易においては、この要因以外に付加価値生産額の格差も地域間交易パターンを決定することをこの実証結果は示している。付加価値生産額の格差は地域間での産業集積度合いの格差と解釈することができるから、産業集積のより大きな地域の産業が他地域の産業に対して比較優位になることを示している。産業集積によって集積の経済が働くと、同じ産業や異なる産業で用いられる多様な中間財、最終消費財の生産が可能になり、これが地域の産業の比較優位性を高めることになるのである。
2000/06/02 Fri
15:00〜16:30
15:00〜16:30
動学的側面を考慮した都市における公共用地の最適配分
米本清(東北大学・院)
京都大学経済研究所本館1階 第二共同研究室
要旨:道路や公園など都市における土地を用いる公共財の最適配分については、数多くの静学的分析による先行研究がある。しかし配分変更の調整費用を考慮した通時的最適化の枠組の下では、修正された配分原則が必要となる。
2000/05/19 Fri
16:30〜18:00
16:30〜18:00
大都市圏地価データベースに基づく地価の時空間変動メカニズムに関する研究
安藤朝夫(東北大学)
京都大学経済研究所本館1階 第二共同研究室
要旨:1980年代後半に、我が国の大都市圏は急激な地価高騰を経験したが、いわゆるバブル崩壊の結果、東京圏の地価は1983年頃の水準まで低下している。日本経済は「土地本位制」とも呼ばれるように、土地が信用創造の中核を占めて来たため、その価格低下が金融市場混乱の誘因となったことは周知の事実である。日本の地価は、その使用価値に見合った水準への調整途上にあると考えられるが、その過程は時空間的に一様ではない。地価は時空間的に変動するものであるにも拘らず、従来の日本の地価研究は、マクロ的な市街地価格指数の類の時系列的変化を論じるものと、ミクロ的な地点属性から横断面的な地価関数を推定しようとするものに大別され、時空間の相互関係を論じたものは少ない。我々はこのような観点から、日本の2大都市圏に関する大規模地価データベースを作成し、長期地価関数の推定や、拡散モデルを用いた地価変動の時空間波及の分析を行って来た。第1に、従来の時空間分析を延長し、地価の下降局面について拡散モデルによる現象再現性を検討する。我々の従来の地価データベースの対象年次は、東京圏については1976~91年までの16年間であった。従って、近年の土地バブルの全盛期に至る上昇局面の分析には有効であるが、それ以降の下降局面をカバーするものではないため、まずデータ期間を1996年まで5年間延長することを考える。時系列方向の外挿と横断面地価関数を組み合わせて地点変更に伴う欠測データを補間する。その過程で計算される21年次にわたる横断面地価関数のパラメータは、東京圏の地価形成パターンの変遷を要約するものであるが、第1章ではデータベースの延長方法と、横断面地価関数パラメータの経年的変化を検討する。第2章では、第1章で得られた地価データベースに1次元・2次元拡散モデルを適用し、全データ期間に対する拡散パラメータを求め、上昇局面のみに基づくパラメータと比較する。東京圏の地価の時空間変動を説明する上で、拡散モデルが統計的に有意であるとしても、それ自体1つの仮説に過ぎない。一方、自己相関分析など時系列データに関する統計的分析手法は確立されており、たとえば異なる地点の地価の時系列間の共和分分析などを通じて、時空間を結びつけた分析に援用することは可能である。しかし、この方向の実証分析としては時系列分析に空間次元を導入した時空間自己相関分析を適用する方がより直接的であろう。時空間自己相関分析は時系列モデルと空間モデルの統合に他ならないから、第3章では、空間自己相関分析に関して、検定や推定の方法を整理する。第4章では、空間近接性に階層性がある場合について空間誤差自己相関モデルを展開し、それを川崎市の地価データに適用する。
要旨:近年は実質上の経営破綻が相次いで発生している地域金融機関(信用金庫・信用組合)を収益性の観点と人口、事業所数といった地域経済の指標から検討し、今後の地域金融機関の目指すべき方向性について考える。
要旨:本論文は、ネットワーク性を考慮した場合に、通常の費用便益分析が、どのような影響を受けるかを、簡単なモデルを用いて分析したものである。報告においては、本論文で導出した方法と、現在行われている費用便益分析の方法の比較も行う予定である。
2000/04/14 Fri
16:30〜18:00
16:30〜18:00
技術ハブ形成のメカニズムと国際分業:地域規模と地域間の機能分化
松尾昌宏(京都学園大学)
京都大学経済研究所本館1階 第二共同研究室
要旨:技術革新に重要な役割を果たす資本財、基盤技術産業の形成原理について、規模-密度則の存在を指摘し、アジアにおける国際分業問題について、地理学的視点からの説明を試みる。
2000/04/14 Fri
15:00〜16:30
15:00〜16:30
シュンペータリアン型モデル、集積、プロダクトサイクル
山本和博(京都大学・院)
京都大学経済研究所本館1階 第二共同研究室
要旨:シュンペータリアン型モデルでは技術革新に不確実性が伴う。この不確実性が技術革新の成功に対してレントをもたらし、leading-edge企業の集積地を財の大消費地にする。本論文ではこれが集積に対する求心力となり、輸送費用の範囲に応じて様々な現象を生み出す事が示される。輸送費用が相対的に低い場合、中間の場合、高い場合に分けて議論することにより、そこで起こる現象が分析される。