Econometrics
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2種の無限次元マルチンゲール中心極限定理を提示する。ひとつは一様距離に関するバナッハ空間上のもので、もうひとつは主として L_2 空間への応用を念頭においたヒルベルト空間上のものである。
統計的応用として、
(1) 確率過程(特に拡散過程)のセミパラメトリック漸近有効推定
(2) 丸められたデータに基づく統計的推測(適合度検定、2標本検定、推定)
(3) 確率過程の適合度検定(いくつかの漸近的分布不変な結果)
(4) 高頻度データに基づく拡散過程の不変分布の漸近有効推定
を報告する。時間が許せば
(5) カーネル密度推定量の L_2 空間における弱収束が不可能であること
(6) 平滑化 Nelson-Aalen 推定量の一様収束率について
(7) van der Vaart and Wellner 流のM推定の理論において、高次モーメント
の収束を導出するためのテクニックについて
(8) 射影推定量の二乗リスクの漸近限界の主要定数について
についても触れる。
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要素数nの観測値Xからm個の要素をブートストラップ・リサンプリングして複製X*を生成する.
ここでは一般にXのデータサイズnとX*のデータサイズmが異なっていても良いと考える.
ある事象(又は仮説)Hが成立するかしないかをXから計算する手続きf(X)が用意されているとき,
ブートストラップ法でX*を多数回生成してf(X*)を繰り返し適用する.
X*においてHが成立する頻度がブートストラップ確率であり,通常 はm=nとおいて得られるブートストラップ確率がf(X)の信頼度として用いられる.
ある種の正規性とフラットな事前分布を仮定するとm=nのブートストラップ確率はベイズの事後確率と解釈できるが (Efron and Tibshirani 1998),
これがしばしば頻度論 の確率値と誤解されて分子進化学の応用で大きな問題になることがあった.
そこで Shimodaira (2002, 2004, 2008)によって提案されたマルチスケール・ブートストラップ法ではmを意図的に変化させ,
ブートストラップ確率をm=-nへ外挿して信頼度を計算する.
負のデータサイズは一見すると奇異に感じられるが,このm=-nの外挿値が実は頻度論の不偏検定における確率値であることが示される.