Institute of Economic Research, Kyoto University
For Advanced Economic Analysis

京都大学経済研究所は、過去半世紀にわたり、理論経済学と計量経済学を中心として、わが国の経済学の発展、とりわけ経済学の基礎科学的側面において先導的役割を果たしてきました。 さらに、近年では、経済学の応用領域および実用科学的側面の研究にも力を入れ、政策評価、政策提言などを積極的に行い各方面から高い評価を受けています。
本研究所は国際的なレベルで経済学の研究に取り組み、その発展に資することを最大のミッションと考えています。 所員の一人ひとりが国際的に最先端の研究を開拓し、その分野をリードしていくことを目指して研究を進めています。 一つの指標として、国際的学術誌に発表した一人当たりの論文数、一流学術誌における被引用頻度数を基準に、経済学研究科(学部)・研究所を順序付けると、 京都大学経済研究所は日本国内では絶えずトップを争う水準を保持しており、このことは国際的な評価を満たす研究水準を指し示しています。
本研究所が日本を代表する経済学研究のセンターとしての地位を保ちえたのは、研究所発足当初から、本研究所の仕組みをアメリカ型のそれに対抗することを意識した、 斬新な「改革」の恩恵に浴しているからです。当時としては珍しかったテクニカル・リポートとして論文を仕上げ、海外の研究者にそれを送付する。 そして、レフェリー(査読)付きの国際的専門誌に論文を投稿する。研究者の「業績」は主に専門誌に掲載される論文の数と質によりはかる。 査読付き専門誌への投稿を督励するため、研究所の「紀要」のようなものは刊行しない。助教授の長期海外出張を妨げない。教員2人に1人の割でセクレタリーをつける。 外国人研究者の受け入れを促す。採用・昇進の基準はあくまでも「業績」本位とし、出身大学にこだわらない。1960年代後半の日本の経済学界において、このような研究至上主義は、他に類を見いだせないものでした。 そうした改革姿勢を継承・発展させてきたからこそ、京都大学経済研究所は経済理論と計量経済学研究のメッカとして、誉れ高い存在となることができたと考えております。
経済・社会、研究・教育環境は日々変化しています。本研究所は大きく二つの方向で進化しています。 ひとつは共同研究によって経済学の発展に寄与することです。 本研究所は2010年度からは「複雑系経済学」と「経済戦略と組織」を中心的なテーマにかかげて基礎研究に力点をおく共同利用・共同研究拠点「先端経済理論の国際的共同研究拠点」として文部科学省の認可を受けています。 この拠点という機能により、広く国際的に研究者コミュニティに対して、経済研究所が培ってきた研究資源と国際的研究ネットワークを提供するという役割を強めております。 関連して、京都大学内に設置された「統合複雑系科学国際研究ユニット」では、本研究所が中心となり、複雑系に関する国際的・学際的研究に力を注いでいます。 もうひとつの方向は現実の経済と研究との接点を大切にするという姿勢であり、本研究所は実用科学的側面の研究に力を入れてきました。 2005年度には、先端経済政策分析研究センターを本研究所内に附置し、現在第2期目の事業に入っています。4府省と1民間研究所から任期付きで採用された5名の教員と協力して、政策研究の水準を引き上げ、積極的に政策提言を行っています。 理論と政策の間のインターフェースの充実によって、広く現実の社会・経済に貢献しています。
経済研究所は人材育成・教育も重要なミッションと考えています。本研究所は大学院生・若手研究者などの教育にも積極的に関わり、多くの一流研究者を生んできました。 本研究所の教員は、大学院経済学研究科の教員として、大学院生の教育に携わるとともに、日本学術振興会特別研究員、グローバルCOE研究員、任期付き講師・助教等として若手研究者を受け入れています。 多くは、研さんを経て主要大学の教員として巣立っており、研究者の養成機関としても京都大学経済研究所は高い評価を受けています。 2003年度からは21世紀COEプログラムの拠点として、2008年度からは、慶應義塾大学・大阪大学と連携して、グローバルCOE教育研究拠点として、大学院生・若手研究者の育成や研究活動に力を入れています。 さらに、本研究所の人事におきましてもテニュアトラック制度を2010年度より京都大学および社会科学分野なかでいち早く導入し、若手研究者の採用・育成に新しい扉を開いております。
本研究所は、先端的な経済学研究に邁進し、世界の多くの研究者を引き付ける共同利用・共同研究のための研究・教育拠点として、わが国の経済学の発展に寄与してまいりました。 今後も、経済学の創造・発展のセンターの地位を持続するために弛みなく努力していく所存です。
| 本体 | 国内客員 | 外国人客員 | 寄附研究 | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 教授 | 15 | 1 | 1 | - | 17 |
| 准教授 | 6 | 1 | 1 | - | 8 |
| 講師 | - | - | - | - | - |
| 助教 | 2 | - | - | - | 2 |
| 研究員他 | 16 | - | - | - | 16 |
| 事務職員 | 9 | - | - | - | 9 |
| 合計 | 48 | 2 | 2 | - | 52 |
| 氏名 | 期間 | |
|---|---|---|
| 初代 | 岸本 誠二郎 | 1962. 4. 1 〜 1966. 3. 31 |
| 第 2代 | 青山 秀夫 | 1966. 4. 1 〜 1971. 11. 30 |
| 第 3代 | 馬場 正雄 | 1971. 12. 1 〜 1974. 3. 31 |
| - | 森口 親司 (事務取扱) | 1974. 4. 1 〜 1974. 7. 15 |
| 第 4代 | 尾上 久雄 | 1974. 7. 16 〜 1978. 7. 15 |
| 第 5代 | 行澤 健三 | 1978. 7. 16 〜 1980. 2. 8 |
| - | 宮崎 義一 (事務取扱) | 1980. 2. 8 〜 1980. 3. 31 |
| 第 6代 | 宮崎 義一 | 1980. 4. 1 〜 1983. 4. 1 |
| 第 7代 | 尾上 久雄 | 1983. 4. 2 〜 1986. 3. 31 |
| 第 8代 | 馬場 正雄 | 1986. 4. 1 〜 1986. 10. 27 |
| - | 小池 和男 (事務取扱) | 1986. 10. 27 〜 1986. 12. 31 |
| 第 9代 | 小池 和男 | 1987. 1. 1 〜 1988. 3. 31 |
| 第10代 | 杉本 昭七 | 1988. 4. 1 〜 1990. 3. 31 |
| 第11代 | 佐和 隆光 | 1990. 4. 1 〜 1994. 3. 31 |
| 第12代 | 福地 崇生 | 1994. 4. 1 〜 1995. 3. 31 |
| 第13代 | 佐和 隆光 | 1995. 4. 1 〜 1999. 3. 31 |
| 第14代 | 藤田 昌久 | 1999. 4. 1 〜 2001. 3. 31 |
| 第15代 | 佐和 隆光 | 2001. 4. 1 〜 2006. 3. 31 |
| 第16代 | 西村 和雄 | 2006. 4. 1 〜 2010. 3. 31 |
| 第17代 | 矢野 誠 | 2010. 4. 1 〜 2012. 3. 31 |
| 第18代 | 溝端 佐登史 | 2012. 4. 1 〜 現在 |
| 氏名 | 授与年月日 | |
|---|---|---|
| No. 1 | 岸本 誠二郎 | 1966. 4. 2 |
| No. 2 | 青山 秀夫 | 1973. 4. 2 |
| No. 3 | 尾上 久雄 | 1986. 4. 1 |
| No. 4 | 宮崎 義一 | 1990. 1. 23 |
| No. 5 | 瀬尾 芙巳子 | 1993. 4. 1 |
| No. 6 | 杉本 昭七 | 1996. 4. 1 |
| No. 7 | 森口 親司 | 1997. 3. 4 |
| No. 8 | 福地 崇生 | 1997. 3. 4 |
| No. 9 | 青木 昌彦 | 2001. 3. 6 |
| No.10 | 佐和 隆光 | 2006. 4. 1 |
| No.11 | 藤田 昌久 | 2007. 4. 1 |
| No.12 | 上原 一慶 | 2007. 4. 1 |
| No.13 | 坂井 昭夫 | 2007. 4. 1 |
| No.14 | 塚谷 恒雄 | 2008. 4. 1 |
| No.15 | 西村 和雄 | 2010. 4. 1 |
| No.16 | 若杉 隆平 | 2012. 4. 1 |