政策分析と先端経済理論の融合を目指して
本研究センター(The Research Center for Advanced Policy Studies、略称CAPS)は、京都大学の豊富な研究資源を活用し、政策関係機関と密接に連携して、先端的な経済学の理論・実証分析に基づき、政策の具体像の提言に向けた分析研究を実施し、成果を社会に向けて発信することを目的とする組織である。
本研究センターは、2005年7月に、経済研究所内に設置され、政策の実務を担う中央官庁から派遣された任期付き教員を中心に、経済研究所の専任教員の高度な理論・実証研究に関する知見や研究ネットワークを生かしながら、実践的な政策課題の研究に取り組んでいる。センターには、ファイナンシャルポリシー(財政金融政策)、グローバルポリシー(国際的な政策の相互依存等)、コミューナルポリシー(地域政策、環境、医療、都市問題等)の三つの研究領域が設けられている。三つの政策研究領域は相互に密接な関連性を持っており、時代の要請に応じて、政策を多面的に分析することを狙いとしている。
本研究センターの目的は、以下の3点に要約することができる。第一に、経済研究所の主たる研究課題である先端経済分析の手法と理論の有効性を検証し、先端的経済学の研究成果をいち早く的確に政策分析に直結させることにより、現実の政策に幅広く反映させていくこと。第二に、世界レベルにある経済研究所の経済理論研究と現実社会のマッチングをできるだけ高めるために、政策現場の実態や研究に有用な情報を研究所専任研究者にインプットする機会を提供して理論研究の発展に寄与すること。そして第三に、官民学また府省間の垣根を取り払い、官民学間における双方向の人的交流を推進し、理論と実証の両面からの政策研究を推し進めることである。
本研究センター設立の背景には、専門的知識に裏打ちされた政策企画力、説明力、説得力、交渉力に秀でた政策立案者の育成、ならびに国際的に高い評価を得られる政策の立案が、これからの日本政府にとっての喫緊の課題であるという認識がある。そのために必要とされる日本の政策を評価・分析する能力をレベルアップするためには、縦割りの政策立案・分析の慣習を廃することと、官民学間における双方向の人的交流を推し進めることが不可欠である。したがって、官民から学への人の異動と、自由闊達な交流のための場を、継続的に提供する本センターの意義はきわめて大きい。


